ユーロストックス50
コロナ禍にもかかわらず世界的に株価が上昇する中で、ユーロ圏の主要銘柄で構成するストックス50(STOXX50)のパフォーマンスが物足りない。欧州株不振の原因として、新型コロナ感染拡大に伴うロックダウンの影響や、財政支出を巡るEU内のごたごた、各国が抱える政局不安などが挙げられるが、インデックスの構成銘柄に巣ごもり経済の恩恵を受けるテクノロジーや通信・サービスなどのハイテク株が少ないとの指摘もある。ここでSTOXX50の構成銘柄毎のパフォーマンスを見ることで実態を分析をしてみる。
表1はSTOXX50と、より多くの銘柄を含むストックス欧州600(STOXX600)の1年間のパフォーマンスおよび、STOXX50の構成全銘柄のパフォーマンスを示したもの。STOXX50と600を比較すると両インデックスのパフォーマンスはあまり変わらず、STOXX50の不振は欧州株全体の問題とも思われる。
次にSTOXX50に占めるハイテク株の比率を日米と比較してみると、STOXX50のハイテク株は6銘柄で全体の12%であるのに対し、日経225のハイテク株は43銘柄で19%、NYダウのハイテク株は9銘柄で30%とやはりパフォーマンスの差は、インデックスに含まれるハイテク株比率に比例しているようだ。加えて、コロナ禍で負け組とされる金融関連銘柄の比率を比べてみると、SOTXX50の18%に対し、日経225が9%、NYダウが10%で、こちらはSTOXX50の足かせとなっている。
これらよりコロナ禍においては、産業構造変化の遅れが欧州株の不振の原因となっていたようだが、今後ワクチン実用化により正常経済に戻る過程では、所謂巣ごもりトレードの巻き戻しにより、欧州株の逆襲が見られるかもしれない。
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