日米欧経済

・米国

10月のISM景況感指数は製造業、非製造業ともに下振れた。10月雇用統計では失業率は3.7%と上昇した一方、非農業部門雇用者数は予想を上回り引続き労働需給のひっ迫は続く。平均時給は前年比4.7%と9月から減速したものの水準は依然高く、物価上昇の沈静化はまだ遠い。FOMCでは予想通り0.75%の利上げを決定したが、今後の利上げペースの減速とターミナルレートの上方修正が示唆された。今週の中間選挙では期日前投票を含め投票率は上昇する見込み、民主党に有利な展開と見られるが、ねじれ議会の回避は難しく、今後の政策運営停滞の景気への影響が懸念される。

・欧州

ユーロ圏7-9月期GDP成長率は、インフレ進行とエネルギー供給問題を背景に前期から減速したもののプラス成長を維持、6四半期連続でプラスとなった。ユーロ圏10月の消費者物価上昇率は前年比10.7%と6ヶ月連続で過去最高を更新、インフレ鎮静化の兆しは見えない。英中銀は市場予想通り政策金利を0.75%引上げ3%とする一方、ベイリー総裁は「インフレ抑制に必要なピーク金利は市場が考えるより低い」と発言し、金利上昇をけん制した。ロシアは戦略上の重要拠点ウクライナ南部州からの撤退を示唆、また一旦停止したウクライナからの穀物輸出合意に復帰するなど、西側への揺さぶりを続ける。

・日本

9月の鉱工業生産は市場予想を下回り4ヶ月ぶりに低下したが、好調だった8月の反動もあり均して見れば回復が続く。9月の小売売上高も前月比1.1%と価格上昇前の駆け込み需要もあり堅調を維持、10月のサービス業購買担当者指数も速報値から上方修正されるなど、円安によるインバウンドも加わり消費全般は堅調。支持率低下に悩む岸田政権は、物価対策として光熱費補助政策を発表した。北朝鮮は相次ぎミサイルを発射、台湾有事の懸念もあり、日本でも地政学リスクが高まる。

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