来年の十大テール
年の瀬となり来年のマーケットを占う時期がきた。昨年は5つのテールリスク(世界的金利急上昇、米資産価格急落、米中間選挙で民主敗北、ウクライナと台湾同時侵攻、ドル円150円)が一部現実となったが、来年の10大テールリスクについて今年も占ってみよう。
①ウクライナ紛争は停戦へ…ロシアは保有する兵器が枯渇してきたことに加え、プーチン政権が進める徴兵に対する国民の抵抗もあり、編入を宣言したウクライナ南東部4州から撤退。一方のウクライナはクリミア半島奪還を狙うものの、西側諸国からの圧力もあり停戦に至る。
②中国が台湾侵攻…3期目続投が決まった習主席だが、さすがに4期目は無理とみて、西側諸国に紛争への支援疲れがみられるこのタイミングで、毛沢東超えを狙い悲願の台湾統一に動く。台湾国内の親中派の動きを支援する形で武力侵攻を決断、結果的に戦火を交えることなく事実上の統合を実現する。
③新型コロナ感染再拡大…中国は国産ワクチンの効果が少なく接種率も低いことから、政府のゼロコロナ政策緩和によって感染が再拡大。その過程でウィルスは変異を重ね、死亡率の高い新型ウィルスが再拡散。世界は再びパンデミックからロックダウンへと逆戻り。
④新興国の躍進…米中対立の激化に伴い西側諸国はこれまで中国に依存してきた生産部門をアジア諸国に分散する動きが活発化。一方で中・露も友好国支援と陣営拡大のため、権威主義的政策を採る新興国への技術移転および商品購入を増加させる。結果的に世界は二分されるものの、新興国全般は潤う。
⑤国連vsシン国連…第二次世界大戦の戦勝国の手による現状の常任理事国制度が機能しないとして、国連は日、独、印、ブラジルを新たに常任理事国として追加承認。国連決議は拒否権の無い多数決制度へと移行する。反発した中・露は国連を脱退、権威主義国家を集め新しく「シン国際連合」を結成する。
⑥米で新スター銘柄の誕生…世界は高インフレ、反グローバル化という直近10年とは正反対の経済状態に突入。全く新しいビジネスモデルを持った新興企業が米国で成長、GAFAMに代わり米株市場をけん引する形で米株は再び最高値を更新。パウエル議長は「根拠なき熱狂」と警鐘を鳴らす。
⑦逆オイルショック…ロシア産原油を中、印両国が全量購入、供給網の再構築により結果的にひっ迫した需給は元通り。一方で原発再稼働や自然エネルギー発電設備増設に加え、本命の核融合反応実用化の進展により脱化石燃料の動きが急拡大し、エネルギー価格は急落。産油国の隆盛は終焉を迎える。
⑧日銀の異次元緩和終了…日本のインフレ率も遂に4%台に乗せ、日銀はデフレ克服を宣言、YCC政策の撤廃、異次元緩和終了に動く。円金利は大幅上昇となり高齢者の金利収入は復活、金融機関の収益も好転。富裕層の大半を占める高齢者の消費拡大と銀行の貸出積極化により、日本経済は急回復する。
⑨日本も英国追随…物価上昇に対する国民の不満を鎮めるため、政府はガソリン補助金や低所得世帯向け給付金の延長拡大を決定。財源として国債の大幅増発に踏み込む。一方で日銀のYCCが終了していたため国債は売られ長期金利は3%台乗せ、円も株式も含めた日本売りが加速、英国と同じ道を辿る。
⑩河野新政権誕生…統一教会問題、閣僚の相次ぐ辞任で求心力を失った岸田首相に対し、防衛費増に伴う増税案に反対するなどポピュリズム政策を掲げる高市氏らが反旗を翻し辞任に追い込む。総裁選ではバラマキを公約とする同氏らに対し、緊縮財政を主張する河野氏が国民の心をつかみ勝利する。
来年の事を語ると鬼が笑うというが、不穏なテールリスクに関しては杞憂に終わって欲しいものだ。
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