日本が世界一
日本は過去30年間のGDP成長率が年率0.3%と低空飛行を続けた結果、一人当たりGDPは2017年にイタリアに抜かれG7で最下位に転落。18年には韓国にも抜き去られた。かつては電化製品、その後は半導体、そして日米貿易摩擦により半導体が衰退した後は自動車と、次々主力製品を変えながら経済発展を維持してきた。但し、足元ではその自動車もEVにとって代られつつあり、新たな成長分野が見通せない状況にある。一方で政府は国民生活の向上を名目に、新型コロナ、少子化、果てはインフレ対策にまで補助金をバラまいた結果、財政赤字はGDPの260%にまで拡大、借金だけは先進国1位を続けており、国家として存続可能か不安になる。
この様な中、足元のWBC優勝や世界フィギアスケート選手権で男女共に世界一など、目を凝らせば世界に誇れる分野もありそうだ。今週は、日本が世界トップを走るものにスポットを当てることで、今後の日本の成長を考えてみよう。
・自動車…トヨタ自動車グループの自動車販売台数は3年連続世界一、但しEV台頭で先行き暗雲。
・スポーツ…上述のWBC、フィギアスケートに加え、小学生が活躍するスケボーも世界トップクラス。基本的に若者が主役で、活動拠点や指導者を海外に頼るケースも多い。一方でスケボーは世界的にはマイナー競技であり、施設や道具の面では日本が有利らしい。今後も若手選手の育成強化、海外の協力確保、比較優位な舞台設定のもとで勝機がありそうだ。
・道具類…釣り具で世界トップの売上はグローブライド(旧ダイワ)、自転車部品はシマノ。ともにこだわりの強い趣味の世界であり、品質重視のユーザーから選ばれる。細部に至るまで妥協を許さず、最高品質が求められる分野で強みを発揮できるようだ。
・飲食店…飲食店ガイドで有名なミシュランガイドの都市ランキングで、1位は東京、3位は京都、4位は大阪と日本は3都市が5位以内に入る美食大国。こだわりの食材と丁寧な下拵えなど、料理の醍醐味を追求する層に支持される。こだわりと高品質追求がポイントか。
・平均寿命…社会福祉制度の充実により84.2歳は世界一。これを支えるのは先進国トップの財政赤字。
・頭脳IQ…英国SNSサイトによる小学生のIQやノーベル賞受賞者数をもとにした国別頭脳ランキングでは世界トップ。またフィンランド企業による世界IQテストでは台湾に次ぐ2位に選出。若い世代の基礎的な学習能力は高そうだ。
こうしてみるとオフィスワーカー層の活躍が目立たない。思い起こせば「ジャパン アズNO.1」と称された1980年代には、栄養ドリンクのCMにあった通り24時間働くサラリーマンが評価されたが、今ではすっかり変化し、残業ゼロと有休消化が美徳となる。熱血サラリーマンのはしくれだった筆者も、近年は飲み会後のほろ酔い気分の帰宅路で塾帰りの小学生に出くわし、遅くまで頑張るものだと感心する有り様。受験戦争に立ち向かう小学生、世界レベルの腕を磨く若者、ひたむきに研究する高齢研究者をお手本とし、中堅サラリーマンも仕事に没頭、よりクリエイティブにならないと日本企業の世界一復活は見えてこないかもしれない。
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