日米欧経済
・米国
11月の貿易収支は▲632億ドルと3か月ぶりに赤字幅は縮小、内需の減速を反映した。12月の消費者物価指数(CPI)は前月から上振れた一方、コア指数は前年比3.9%と2年7か月ぶりに4%を下回った。エネルギー価格下落の影響が縮小したことに加え、家賃などサービス価格の底堅さが背景にある。FRB高官からは3月の利下げは時期尚早など、市場の行き過ぎた利下げ期待を制する発言が相次ぐものの、市場は3月利下げ開始を7割織込む。台湾総統選では親米派の与党民進党の頼候補が勝利、現状の対中強硬姿勢の継続が見込まれる。
・欧州
ユーロ圏11月の小売売上高は前月比でマイナス転換、独11月の鉱工業生産は6か月連続の前月比マイナスとなり景気の減速基調は続く。一方でユーロ圏11月の失業率は6.4%と過去最低、12月の経済信頼感指数は96.4と3か月連続で改善するなど、物価高と景気後退の同時進行によるスタグフレーションリスクが燻っていた最悪期は脱しつつある。ラガルドECB総裁はTVインタビューで、金利はピークに達した可能性が高いとして利下げ開始を示唆した。
・日本
11月の景気動向指数は一致・先行とも前月から低下。12月の景気ウォッチャー調査は現状判断が4か月ぶりに中立水準50を回復した一方、先行きは下振れて50割れが続くなど景気は足踏み状態にある。12月の東京都区部消費者物価コア指数は前年比2.1%と2か月連続で伸びが縮小、インフレは減速しつつある。11月の現金給与総額は23か月連続で前年比プラスを維持したものの、実質賃金は前年比▲3%と20か月連続のマイナス、また家計の消費支出は前年比▲2.9%と9か月連続のマイナスとなり、政府・日銀が目指す賃金と物価の好循環はやや遠のいた感がある。日銀は地域経済報告で地方での賃上げ機運醸成が確認できたものの不確実性が高いとし、早期の利上げに慎重な姿勢を見せる。
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