日米欧経済

・米国

4月の製造業新規受注は前月比0.7%と3か月連続のプラスとなるも減速傾向、5月のISM製造業景気指数は48.7と2か月連続で好不況の分かれ目の50を下回り、製造業は緩やかな鈍化が意識された。一方、非製造業景気指数は53.8と9か月ぶりの高水準に上昇した。5月の失業率は2022年1月以来の4.0%に上昇した一方、非農業部門雇用者数は27.2万人と前月から大幅増、平均時給も前年比4.1%と予想対比上振れ、労働需給は底堅さを維持する。市場は、今週のFOMCで示す年内利下げ回数予想が3月時点の3回から2回あるいは1回まで減ることを織り込む。

・欧州

ユーロ圏4月の小売売上高は前月比▲0.5%とマイナス転換。独4月の製造業受注は同▲0.2%と4か月連続のマイナス、鉱工業生産も同▲0.1%と2か月連続のマイナス、欧州景気の足取りは鈍い。ユーロ圏4月の生産者物価指数は前年比▲5.7%と12か月連続のマイナス、川上のインフレは鈍化基調が続く。ECBは6月理事会にて政策金利の0.25%引下げを決定、4年9か月ぶりの利下げに踏み切った。一方で今年と来年のインフレ見通しを上方修正した。ラガルド総裁は会見で必要な限り高い水準の金利を維持すると発言、追加利下げには慎重な姿勢を示した。市場は7月理事会での金利据え置きを織り込む。

・日本

1-3月期の法人企業統計では全産業の経常利益が前年比15.1%と5四半期連続で増加、人流回復、円安進行から企業業績は好調。4月の景気一致指数は115.2と4か月ぶりの高水準、但し自動車メーカーの不正問題が再発覚、先行きは不透明だ。現金給与総額は前年比2.1%と10か月ぶりの高水準、一方で実質賃金は物価上昇の影響から同▲0.7%と25か月連続のマイナス。但し家計消費支出は前年比0.5%と14か月ぶりのプラス、加えて6月以降に賃上げの影響顕在化が見込まれ、年後半には消費の再加速が期待される。市場は円安に伴う物価上昇を踏まえ、日銀が6月会合で国債買入れ減額の方針を示すと見込む。

0コメント

  • 1000 / 1000