日米欧経済
・米国
6月のISM景況指数は製造業・非製造業ともに5月から上振れ。雇用統計では非農業部門雇用者数が予想を上回って増加し、失業率も4.1%に改善。トランプ関税による悪影響が懸念されていたものの、米経済は予想以上に堅調だ。上下院で可決されたトランプ減税は、予定通り独立記念日に大統領の署名により成立した。減税により財政赤字は10年間で3.4兆ドル拡大すると計算され、財源の手当てが注目される。ベトナムとの貿易協議では合意に達し、対中関係では一部の半導体輸出規制を撤回するなど、各国との貿易協議は進展。一方、日本との協議は参院選を控えて進展が見込めず、後回しとされている。
・欧州
独5月の小売売上高は前月比▲1.6%と再びマイナス転換、ユーロ圏6月のCPIは小幅加速したもののECBの目標値通りの前年比2%に収まり、6月の失業率は小幅悪化するなど欧州経済は低空飛行が続く。7/9の米関税猶予期限を控え、EUは10%の基礎関税には応じる姿勢を見せているが、それ以上の追加関税には反対。米国が制裁を強化した場合、報復として米国からの輸入品のほぼすべてに最大50%の関税を課す構えである。一方でサプライチェーン拡充と自由貿易圏拡大を狙い、ブラジルなどに接近。数か月のうちに南米諸国とFTA(自由貿易協定)を締結するとした。
・日本
5月の鉱工業生産は前月比でプラス転換。4-6月期の日銀短観も大企業製造業は予想外に2期ぶりの上昇となった一方で、非製造業は34と前期から1ポイント低下、低下は2期ぶりだった。大企業製造業の中でも、日本のGDPの1割を占める自動車産業の現況指数は3期ぶりの低下となり、トランプ関税の影響が影を落とす。6月の消費者態度指数が34.5と2か月連続の改善となったことで、内閣府は基調判断を「持ち直しの動きが見られる」に上方修正した。参院選が7/3に告知され、7/20の投票日に向けた選挙期間に突入、各党が物価高対策や外交、防衛政策などを競う。
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