各国コロナワクチン接種状況
新型コロナ対策の決定打となるワクチン接種だが、既に接種が完了した人の割合は英国で51%、米国45%と国民の約半数、世界平均は8%まで上昇した。接種進捗に伴いNY市が「感染拡大により制限している経済活動について7/1の全面再開を目標とする」と表明するなど、いよいよ世界は経済活動の完全再開に向け動き始めている。各国株価もそれを先取りする形で動いており、米国やドイツの株価は過去最高値を更新している。ここで各国の年初来ワクチン接種状況と株価動向(年初を1として)を図1に示した。尚、図1「各国ワクチン接種回数の人口比率」を見るとイスラエルの接種回数が既に人口対比100%以上となっているが、これはほとんどのワクチンが2回接種を必要とするため。
世界平均よりワクチン接種が進んでいる国の株価動向として米、EUを下図で見ると、世界平均を上回る一方、ワクチン接種が世界平均レベルで感染抑制に手間取るブラジルやインドの株価はやはり低迷している。逆に言えば、足元で株価が低迷するブラジルやインドは、ワクチン接種進展により感染拡大が収束へと向かえば株価上昇が期待できそうだ。一方、日本はワクチン接種こそ人口対比約2%と図中最下位だが、実は株価の方は世界平均レベルで健闘している。これはワクチン接種は遅れたものの感染自体の抑制に比較的成功しているため、つまりブラジルの裏返しと考えられる。ただし日本はワクチン購入契約量が少なく、その承認も遅れているため接種ペースの改善が当面見込めず、感染拡大に歯止めがかからない。その影響もあってか足元の株価の上値は重い。
ところで、株式市場が織込むワクチン接種の感染リスク抑制効果への疑問には、イスラエルの例が答えてくれる。イスラエルはワクチン接種を完了した人の比率が56%と国民の半数を上回った結果、1日当りの感染者数は年初の約1万人から現在は約80人まで減少した。これらデータからワクチン接種の有効性は臨床データ通りの90%超と計算されるようだ。ちなみにインフルエンザワクチンの有効性は約50%なので、コロナワクチンは感染対策としてかなり優秀と見ることができそうだ。
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