日米欧経済

・米国

5月購買担当者指数は過去最高、新規失業保険申請件数も3週連続で改善し昨年3月のパンデミック以降で最小となったものの、4月の住宅着工件数やNY連銀、フィラデルフィア連銀の5月製造業景気指数は前月から下振れるなど、一部の経済指標には息切れも見られる。FOMC議事要旨では一部メンバーが今後のテーパリング検討に積極的な姿勢を示したが、クラリダFRB副議長は講演で今年のGDP成長率が6~7%に達する可能性はあるがテーパリングを協議する段階にはないと述べた。バイデン政権は共和党に譲歩しインフラ投資計画を減額したが、今後の政策運営には注目が集まる。

・欧州

ユーロ圏の1-3月期GDP成長率2次速報は1次速報とほぼ変わらずで、仏、伊が持ち直し、スペイン、ポルトガルが悪化した。5月購買担当者指数では製造業は引続き好調、ワクチン接種進展によるロックダウンの段階的解除を受けサービス業が大幅改善した結果、総合指数は3年ぶり高水準。一方で4月消費者物価指数は速報値通りの前年比1.6%となり、米国とは異なりインフレ加速を警戒する段階にはない。

・日本

1-3月期のGDP成長率は市場予想を下回った。緊急事態宣言で個人消費が落込んだほか、政府消費、公共投資も低調。好調な海外景気の影響で輸出は堅調だったが、エネルギーや原材料価格の上昇に伴い輸入も上昇したためGDPへのプラス効果は相殺された。物価面では4月の消費者物価指数は引続き前年比マイナスとなり、世界的に広がるインフレの流れに日本は取残されつつある。モデルナ製とアストラゼネカ製ワクチンが承認され、今後接種進展による感染沈静化が期待される。

0コメント

  • 1000 / 1000