日米欧経済
・米国
5月の雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比55.9万人増、失業率は0.3%低下し5.8%、週次の新規失業保険申請件数も5週連続で改善するなど雇用環境は順調に回復している。加えてISM景況感指数が上振れ、特に非製造業は過去最高を記録するなど実体経済の好調さもあり、FRB高官からもテーパリングに前向きな発言が目立つ。地区連銀報告(ベージュブック)では経済成長は幾分か加速し、物価上昇圧力が高まっているとされた。バイデン大統領は法人税率の引き上げ案(21→28%)を取下げ、G7に歩調を合わせ新たに最低税率15%の導入を提案、野党共和党に譲歩することで増税案の早期成立を狙う。
・欧州
ユーロ圏5月の消費者物価指数はエネルギー価格上昇の影響もあり2年7か月ぶりの高さ、4月生産者物価指数も世界的な原材料価格上昇の影響から23年ぶり高水準となった。4月小売売上高は前月比で下振れたものの前年比では+23.9%と消費関連にも回復の動きが広がり、欧州経済全体がコロナ禍からの脱出過程にある。ECB高官はユーロ高けん制の意味もありパンデミック緊急購買プログラム(PEPP)の購入ペース減速を否定、米国とは異なり金融緩和からの出口議論はまだまだ先のようだ。
・日本
4月の鉱工業生産は半導体関連が好調で2ヶ月連続のプラス、1-3月期の企業利益は製造業が好調、全産業で前年比26%と10-12月期の▲0.7%から大幅に改善した。4月の小売売上高は前月比12%と上振れ、eコマースをけん引役としてサービス業にも回復の兆しが見られる。政府はワクチン接種を加速、少なくとも1回接種した人の割合は人口の9%を超え、コロナ禍の早期鎮静化への期待が高まる。
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