日米欧経済

・米国

週次の新規失業保険申請件数は4週連続で改善したものの、7月の小売売上高は下振れ、8月のNY連銀やフィラデルフィア連銀製造業景気指数も下振れるなど、絶好調だった米経済にもピークアウト感が出てきた。7月FOMCの議事要旨では、物価上昇に加え雇用環境の回復基調を反映し、大半のメンバーが年内のテーパリング開始を予想したことが明らかとなり、金融政策の調整は既定路線となった模様。アフガニスタンでは米軍撤退を受け予想以上の速さでタリバンが政権を掌握、バイデン政権の失策との評価が強まっており、今後の議会運営では共和党の抵抗により政策決定の遅れが懸念される。

・欧州

ユーロ圏4-6月期のGDP成長率改定値は、前年比13.6%と0.1%下方修正されたものの相変わらずの高成長を維持した。足元ではコロナ変異種の感染拡大が続くが、7-9月期も同レベルの成長率が予想されており、欧州経済は引続き回復途上にある。一方、経済面で関係の深い中国ではIT企業向け規制強化などによる景気後退が見込まれ、今後欧州景気へのマイナスの影響が懸念される。

・日本

4-6月期GDP成長率は輸出や設備投資がけん引する形で2期ぶりのプラスとなった。一方GDPデフレーターは前年比▲0.7%と1-3月期の▲0.1%からさらにマイナス幅が拡大、7月の消費者物価指数も5年毎の基準改定の影響で再び前年比マイナスとなり、日本経済のデフレ脱出の目途は立たない。加えて足元のコロナ感染者数は過去最多を更新中、沈静化への道のりは遠そうだ。総選挙が近づくなか、例年通り補正予算編成の動きがあるものの、日本経済の先行きには慎重な見方が広がる。

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