日米欧経済
・米国
8月の雇用統計は下振れたものの、先週の新規失業保険申請件数は6月下旬以来の大幅改善を示すなど、雇用関係の回復基調は続く。一方、デルタ株の影響でコロナ感染者数は1日当たり10万人超と沈静化の兆しが見られず米経済の正常化はまだ遠いとの見方が広がり、地区連銀経済報告でも経済成長は7-8月にシフトダウンとされた。議会では連邦政府の債務上限引上げに向けた審議の目処が立たないなど、アフガニスタン問題の発生以降、バイデン政権の政策運営は難しい局面が続く。
・欧州
独9月のZEW景況感は4ヶ月連続で低下し、一向に収まらないコロナ禍への警戒感から欧州経済の先行きに慎重な見方が広がる。ECB理事会では、ユーロ圏の21年GDP成長率を4.6%から5%へと上方修正し、経済回復に楽観的な見方を示すと共に、パンデミック緊急プログラムの購入ペースを月800億ユーロから6~700億ユーロに減額すると発表。一方でラガルド総裁は「購入減額はテーパリングではない」と緩和策の継続を示唆した。残り1ヶ月を切った独総選挙は3つ巴の様相が続く。
・日本
4-6月期GDP成長率の改定値は、法人企業統計を受け設備投資が上方修正された影響で速報値の年率1.6%から1.9%へと上方修正された。一方、8月の景気ウォッチャー調査は現状・先行きともに大幅悪化、コロナ感染拡大に伴う緊急事態宣言の対象地域拡大の影響もあり景況感は急激に悪化した模様。自民党総裁選の候補者は出揃いつつあり、今後、各候補が掲げる政治・経済政策に注目が集まる。一時は懸念された衆議院選での自民党大敗、それに続く政局混迷は回避されそうだ。
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