米国市場
市場で高値警戒感が漂っていたところに、供給制約に加え資源価格上昇によるインフレ加速と金利上昇、債務上限問題に伴うデフォルト懸念、加えて大手不動産会社の経営不安を発端とする中国景気の停滞観測などが重なり米株は調整局面入りとなった。足元ではISM製造業、非製造業ともに上振れるなど米景況感は再び上向いており、また資源価格上昇は資源国としての側面を持つ米経済にとり悪材料ではないとの評価もあり、堅調な企業業績が確認されれば再び米株は上昇基調に戻りそうだ。
9月の雇用統計では失業率が4.8%と1年半ぶり低水準に改善、FRBが目標とする物価と雇用の両面で金融政策正常化の条件は整いつつあり、来月初のFOMCでテーパリングがアナウンスされるとの見方に変化はない。パウエルFRB議長は、「テーパリングは利上げに結び付かない」としているが、部品等の供給制約に伴う物価上昇に加え、世界経済の正常化が進む中でエネルギー価格全般も上昇しており、今後の市場の注目点は利上げタイミングに移ろう。
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