日米欧経済

・米国

9月非農業部門雇用者数は予想対比大幅に下振れたものの、失業率は4.8%へと低下し、11月テーパリング開始予想に変化はない。9月のISM非製造業景況指数は製造業指数同様に予想外に上昇、コロナ変異種の脅威は続くものの、サービス関連支出は堅調なことを示した。議会では、懸案の債務上限問題は上限を4,800億ドルとする案を上院で可決、12月初まではデフォルトを回避できそうだ。一方で1兆ドルのインフラ投資案、3.5兆ドルの歳出案を巡る与野党の攻防は出口が見通せない状況が続く。

・欧州

雇用や部品における供給制約に加え中国景気の減速を受け、独8月の鉱工業生産は前月比でマイナスに落ち込んだ。一方、ユーロ圏8月の小売売上高は、除く食料品(前月比+1.8%)が全体を押上げ前月比でプラスに転じた。個人消費は好調な財消費に加え、今後はグローバルな人流回復によるサービス分野のリベンジ消費の本格化が予想され、先行して景気を牽引してきた製造業に代わりサービス業へのバトンタッチが期待される。ECB議事要旨ではPEPP(パンデミック緊急買入プログラム)を減額、新たな購入プログラム導入の可能性が示唆されるなど、米国に続く金融緩和策の修正が見込まれる。

・日本

菅前首相に代わる新しいリーダー誕生への期待感とコロナ感染鎮静化を反映し、9月景気ウォッチャー調査は現状、先行DIともに改善した。一方で岸田新政権が打ち出した成長より分配を優先する姿勢に対する世間の評価には厳しいものがある。世界的な資源価格上昇は資源輸入国の日本経済にとって重しとの見方が広がる中、主要貿易相手国である中国経済の減速も懸念材料だ。

0コメント

  • 1000 / 1000