日米欧経済

・米国

10月雇用統計では非農業部門雇用者数が大幅増、失業率も9月から0.2%低下するなど雇用環境は回復基調。企業決算も好調で、10月ISM景況指数は製造業、非製造業ともに60超となるなど米経済は引続き堅調だ。FOMCでは予想通り今月のテーパリング開始を決定したものの、パウエル議長は「今はまだ利上げの時期ではない」と発言し早期利上げ予想を牽制した。来年に迫る中間選挙の前哨戦とされる州知事選では与党民主党の1勝1敗。議会では、1兆ドルのインフラ法案を3.5兆ドルの投資計画案と切離して下院で可決、バイデン大統領の署名により成立する。

・欧州

企業の人手不足を反映しユーロ圏9月の失業率は5ヶ月連続で改善し過去最低の7.3%まであと一歩となった。一方で需要拡大に加え、資源価格の上昇と供給制約の影響から9月の小売売上高は前月比でマイナス、生産者物価指数は前年比16%と過去最大の上昇。英中銀の政策理事会は一部で予想されていた利上げは見送ったものの、ベイリー総裁は「今後数ヶ月で利上げが必要となる」と利上げを強く示唆。

・日本

9月の全世帯家計調査の消費支出は前年比▲1.9%と引続きマイナス圏が続く。世界的に広がる供給制約と原料高の影響で製造業の業況見通しが頭打ちとなる中、緊急事態宣言解除に伴うサービス業の回復が待たれるが、足元の消費は盛り上がりに欠ける。円安は輸入物価の上昇を通して消費活動に水を差すとの懸念に加え、エネルギー価格の上昇との同時進行は資源輸入国の日本経済にとって重しとの見方も広がる。今後、供給制約が緩和され輸出企業の生産が再拡大となれば、円安による恩恵が期待できる。

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