日米欧経済
・米国
10月の生産者物価指数は前年比8.6%と11年ぶり、消費者物価指数も31年ぶりの高水準となり、足元のインフレは加速している。加えて、週次の新規失業保険申請件数は26.7万件と6週連続の改善となった。エネルギー価格上昇に加え、供給制約による物不足と賃金上昇による需要増加の同時進行がインフレ加速の根底にあり、まずは供給制約の緩和時期が問題。今後の金融政策を左右するFRB議長人事を巡ってはバイデン大統領の動向が注目されるが、市場はパウエル議長の続投を見込む。議会では支持率低下への危機感から与党民主党の党内対立は鎮静化しており、予算審議の早期決着が期待される。
・欧州
英7-9月期のGDP成長率は前年同期比6.6%と前期の23.6%からは減速、GDPはコロナ禍前の水準をなお2.1%下回る。欧州経済を牽引する独では半導体などの供給制約に伴う自動車産業への打撃や、ここもとのコロナ感染者数増加などの悪材料が顕在化しているものの、11月ZEW景況感調査では期待指数が6ヶ月ぶりの改善となった。来年に向け供給制約の解消とともに独経済が再び世界的な景気回復の追い風を受けるとの期待感が広がる。
・日本
7-9月期のGDP成長率は年率▲3%と前期の同1.9%から大幅減速、コロナ第5波の影響などで輸出以外の項目は全面的に低迷した。10月の国内企業物価指数は前年比8%と40年ぶり高水準、為替の円安進行と相まって輸入産業を中心に企業収益への悪影響が懸念される。岸田政権は連立を組む公明党の選挙公約だった若年層への給付金支給を決定、さらに経済対策には手厚い中小企業支援策を盛り込む方針。
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