日米欧経済

・米国

10月の個人消費支出は前月比1.3%と堅調、コアデフレーターは31年ぶりの高水準となった。一方で11月の購買担当者指数は製造業が前月から上昇したもののサービス業が悪化した影響で総合指数は前月から下振れ、インフレの強まりに加え供給と人手不足の影響で活動が抑制された形。FRBが物価とともに注目する雇用情勢は、週次の新規失業保険申請件数が52年ぶりの低水準となるなど回復基調。バイデン大統領はパウエルFRB議長の続投を決定、現状の金融政策の継続が想定される。政権支持率の低下を背景に、与党民主党は党内対立を回避する方向にあり、主要政策の早期実現が期待される。

・欧州

ユーロ圏11月の購買担当者指数は製造業、サービス業ともに10月から上振れ、企業は足元の景気に対し強気のようだ。一方、ユーロ圏11月の消費者信頼感は下振れ、欧州全域に広がるコロナ感染再拡大の影響で消費者は行動制限の再実施を警戒する。ECB議事要旨では中期的なインフレ率は2%を下回ると予想、市場の利上げ観測は整合性を欠くとされた。改めて感染再拡大に伴う経済への影響が懸念される。独では社会民主党、緑の党、自由民主党の3党が連立で合意、12月にはショルツ政権が発足する。

・日本

10月の企業向けサービス価格指数は、原油高による輸送コスト上昇の影響もあり20年ぶりの高水準となった。世界的なインフレ加速とは異なり日本の消費者物価上昇率はゼロ近辺にあり、川下への価格転嫁が難しい中、生産者物価の上昇は企業にとり重荷。足元のコロナ感染者数は激減したが、南アフリカで新たなコロナ変異種が報告されるなど、コロナ禍の出口は見通しづらい。岸田政権の政策は霞が関の意向を踏まえた保守色の強いものが多いようで、新鮮味に欠けるとの評が多い。

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