来年のテールリスク
今年も師走入りとなり来年のマーケットを占う時期となってきた。今年の主要株式市場はアフターコロナへの期待感から総じて堅調な展開となったが、来年仮に起こったら市場に大きなインパクトを与えそうな10大テールリスクについて占ってみよう。
①世界的に金利急上昇…世界各国が新型コロナ対策として打出した多額の財政支出による金余りに対し、コロナ禍に伴う部品供給制約とエネルギー価格高騰によりインフレは加速。加えて、コロナ鎮静化に従い経済活動の世界的正常化が加速し物価はさらに上昇。各国で利上げ合戦となり金利は急上昇する。
②米資産価格急落…アフターコロナを見据え企業収益は堅調で米株は史上最高値更新。ただし、資産価格と賃金の同時上昇など1980年代の日本のバブル期を彷彿とさせる現象も見られるなか、FRBがついに利上げをスタート。金融超緩和局面の終焉とともに米資産は急落し、パウエル氏は令和の鬼平となる。
③ウクライナ侵攻…ロシアはついにウクライナに軍事侵攻。対抗してNATO軍を中心とする多国籍軍がウクライナ国境に出動するもにらみ合いとなる。西側諸国はロシアに経済制裁を発表、ノルドストリーム2などロシアからの欧州へのエネルギー供給が停止し、エネルギー価格上昇に拍車がかかる。
③台湾有事…中国では、世界最大とされる海軍とハイテクミサイルを保有していると自負していることが前線兵士の暴走を誘発。台湾海峡で軍事衝突が発生し、米軍を含む多国籍軍が出動。中国軍の台湾上陸を阻止するものの双方にらみ合いとなる。中国は香港型の政治統治戦略へ転換し全面戦争は回避。
④岸田政権交代…日本は55.7兆円補正予算でも景気回復に至らず、国民の給与水準は低迷。岸田政権は景気浮揚のため再び国債増発によるバラマキ政策を発動するも、借金してお金を配る政策の継続性を疑問視する河野氏が石破氏、小泉氏と新党を結成し参院選で勝利。内閣不信任案を通し政権党となる。
④岸田政権交代…自民党が参議院選で敗北。岸田首相は責任を取り辞任し、総裁選により河野氏が新総裁となる。新総裁は持論の規制改革を進め、厚生労働省の分割、医療・教育のオンライン化、脱炭素化政策の推進を矢継ぎ早に繰り出した。市場は規制改革と成長戦略を好感、日経平均は史上最高値となる。
⑤円安進行…石油やLNGなど資源・エネルギー価格の上昇と日本企業の生産現地化進行により日本は貿易赤字が定着。国の借金はGDP対比300%に近付き、格付け会社は相次ぎ日本の格付けを下方修正。加えて米金利上昇により日米金利差は急拡大し、ドル円は20年ぶりに130円を突破する。
⑥日銀が異次元緩和を終了…世界的インフレ進行と円安の相乗効果により、日本のインフレ率もついに2%に乗せ、日銀は異次元緩和を終了。円金利はプラスとなり高齢者の金利収入は復活、金融機関の収益も好転。為替の円安定着、高齢者の支出拡大と銀行の貸出姿勢積極化により日本経済は急回復する。
⑦日本でコロナワクチン開発…日本政府は1970年代のワクチン訴訟以来ワクチン開発支援および承認に後ろ向きだったが、コロナ禍を受け、国の財政支出を再びワクチン関連に重点的に振向ける。国内の優秀な頭脳が集結する医療業界が総力を挙げたことで、世界初の万能コロナワクチン開発に成功する。
⑧こども庁発足…こども代表として高校生が大臣に就任、新学期スタートを9月としたことで国際交流が活発化、海外からの留学生も急増する。仏に倣って結婚の自由化を進め出生率が上昇、無駄なバラマキ政策を是正し、出産を含むこども関連医療費を全て無料としたため、第3次ベビーブームが到来。
⑧米国中間選挙で民主敗北…バイデン大統領の支持率が低下したまま米国は11月中間選挙に突入。結果民主党は歴史的敗北となり共和党が下院過半数となる。主導権を握った共和党陣営が決めた議案に対し大統領は拒否権を連発。一方、大統領令が認められる法案以外は何も成立しなくなり米国は心停止する。
⑨米中関係改善…中国では土地販売を収入源とする地方自治体系企業のデフォルトが増加しついに信用バブルが崩壊。経済立て直しのために米国資本の助けが必要となり、中国が譲歩する形で米中関係は改善。バイデン政権の成果として支持率は回復、中間選挙では民主党が勝利しねじれ状態は回避。
⑩北京五輪で中国景気回復…北京五輪は無事開催。開催国の中国は金メダルラッシュとなり、共同富裕策効果とともに消費は盛上る。オミクロン株を最後にコロナは鎮静化、抑制されていた旅行需要が爆発し中国で海外旅行ブームが再発。インバウンドによる消費で世界的に経済成長が加速する。
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