米国市場

企業業績は堅調、雇用環境も大幅改善しており、足元における米経済の懸念材料は、引続きオミクロン株の影響とインフレ動向になる。オミクロン株の重症化リスクは低いとの認識のもと、政府は行動制限を実施しない方針であり、経済活動の減速は避けられそうだ。一方でFRBはインフレ対策として利上げや流動性の供給抑制を前倒しで実施する可能性が高く、市場は副作用としての景気減速を警戒。足元では、金利上昇への耐性が低いとされる新興企業株を中心に米株は調整局面入り。

FRBの政策目標のうち、失業率は3.9%と大幅改善、物価は11月の個人消費支出コア価格指数が前年比4.7%と38年ぶりの高水準を記録。FRBはオーバーシュート気味のインフレ沈静化のため、12月のFOMCで早期利上げとバランスシート(B/S)縮小を検討したことが明らかとなった。利上げは想定内だったものの、B/S縮小のタイミングは市場の想定より早く、米金利は急上昇。但し、前回(2018年)の例から、積極的な売りオペは行わず、償還分のロールを見送るなどの緩慢な縮小ペースが予想される。

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