日米欧経済

・米国

2月のISM景況指数は、製造業は供給制限緩和の影響で上振れた一方、非製造業は労働需給のひっ迫とインフレ高進およびコロナ感染拡大の悪影響が残存しやや下振れた。2月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が大幅増加、失業率も改善するなど堅調。パウエルFRB議長は上下両院の公聴会で3月0.25%利上げを示唆、ロシアによるウクライナ侵攻の景気への悪影響は想定されるが政策変更はない模様。ロシアに対しては、米政府による制裁に加え、米企業が相次ぎ事業撤退を表明した。中国のロシアへの対応次第では、今後の米中関係に影響が出る。

・欧州

ユーロ圏2月の消費者物価指数および1月の生産者物価指数は、過去最高水準となり欧州でインフレが加速する一方、ユーロ圏1月の失業率は6.8%と過去最低水準に改善。ECB理事会議事要旨では、雇用改善とインフレ加速を受け、利上げが近いとの認識で一致したことが示された。ロシアとウクライナの停戦協議は、さしたる進展がない中、ロシアは侵攻を激化し欧州最大の原発施設を砲撃。事態の長期化は、エネルギー需給を始め欧州経済を直撃することになり、コロナ禍からの経済正常化の遅れが懸念される。

・日本

1月の鉱工業生産は、半導体不足の影響から自動車などの生産が抑制され下振れた。他方、オミクロン株の重症化リスクは低いとして消費活動は徐々に回復、1月の小売販売額は前月比1.6%と回復基調が続く。雇用関連は1月失業率が2.8%と0.1%悪化したものの、有効求人倍率は1.2倍と改善。ロシアによるウクライナ侵攻を受け、サハリン2など日本企業への影響が懸念される。ワクチン3回目接種の遅れから岸田政権の支持率が低下する中、政府は18都道府県でまん延防止等重点措置の期限延長を決定した。

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