米国市場

足元の経済指標や企業業績は堅調だが、ウクライナ情勢の深刻化を受け世界的規模での経済停滞懸念が燻る。加えて2月の消費者物価上昇率は40年ぶり高水準となり、インフレ高進と経済停滞が同時発生するスタグフレーションリスクへの警戒感から、足元の米株は低迷している。但し、米国は地理的にウクライナから遠いうえ、原油や天然ガスおよび穀物などを産出する資源国でもあり、加えて基軸通貨ドルを持つことからインフレに対する耐性も強く、先進国の中で米株の比較優位性が際立つ。

アフターコロナにおける経済活動回復に伴う急速な物価と賃金上昇に加え、ウクライナ情勢を受けたインフレ加速が警戒される。一方で地政学リスクの高まりによる安全資産へのシフトが起こり、結果として米10年金利はボラティリティーの高い展開。市場は早急な利上げによる米景気のオーバーキルリスクを警戒していたが、パウエルFRB議長は3月FOMCで0.25%利上げを示唆、市場の不確実性を排除した。当面はウクライナ情勢およびインフレ動向を睨み、神経質な展開が続くと予想される。

0コメント

  • 1000 / 1000