日米欧経済

・米国

3月の購買担当者指数は製造業、サービス業ともに上振れ、総合指数も7月以来の高水準となった。アフターコロナによる経済回復期待が、金融引締めとウクライナ情勢泥沼化を受けた先行き不透明感を上回った。また資源国でもあり、世界的なエネルギー供給の不安定化の影響も限定的。NATO、G7会合ではウクライナ支援と対ロシア制裁を決定すると共に、中国によるロシア支援を牽制した。ウクライナ紛争対応で西側を上手く纏め、また軍事介入に距離を置くバイデン政権の評価は高まりそうだ。

・欧州

ユーロ圏3月の購買担当者指数は製造業、サービス業ともに下振れ、総合指数も2ヶ月ぶりに低下したものの、好不調の分かれ目となる50を超えたことに加え、ユーロ圏3月の消費者信頼感も上振れるなど景気マインドは悪くない。但し今後は、ウクライナ紛争の長期化リスクに加え、対ロシア経済制裁により生じるエネルギーを中心とした需給ひっ迫、それに伴うインフレ加速が懸念される。仮に早期の停戦合意が実現した場合でも、潜在的な地政学リスクが残ることで欧州経済の視界不良は続こう。

・日本

3月の購買担当者指数は製造業、サービス業ともに上振れ、総合指数も49.3と好不調の分かれ目となる50間近となった。ウクライナ情勢への警戒感はあるものの、地理的に遠いうえ、世界が身構えるインフレリスクが数字上まだ顕在化しておらず、アフターコロナによる経済正常化への期待が上回った模様。但し3月の東京都区部消費者物価は前年比1.3%と3年ぶりの高水準、4月以降は携帯料金引下げの影響が剥落することに加え、足元のエネルギー価格上昇や円安の影響からインフレが加速すると予想され、今後の日銀の対応が注目される。

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