日米欧経済
・米国
4月のミシガン大学消費者態度指数は65.7と3ヶ月ぶりの高水準、3月の小売売上高も2月の0.8%からは減速したものの前月比でプラス圏を維持するなど、アフターコロナに向けた消費者マインドは堅調。一方、3月の消費者物価は40年ぶりの高水準、生産者物価も2010年統計開始以来の最高を更新、加えて3月の輸入物価も11年ぶりの高水準となり物価上昇にブレーキは掛からない。FRBは金融引締めを急ぐ構えだが、ウクライナ危機の長期化に伴う景気への悪影響が懸念される。バイデン政権はウクライナへ8億ドルの追加軍事支援を発表、中間選挙を控えインフレ対策と外交戦略の難しいかじ取りが続く。
・欧州
英2月のGDP成長率は下振れ、独4月のZEW景況感調査も大幅マイナスとなった。ウクライナ危機の長期化に加え、インフレ加速、中国の景気減速の影響もあり欧州景気全体は減速傾向。ECBは資産購入終了時期は7-9月頃、利上げはその後一定期間後とするなど、景気後退リスクを意識し市場予想よりハト派的なスタンス。中立国のフィンランドがNATO加盟申請を検討中、スウェーデンも続く模様であり、仏大統領選の行方も含め、欧州全体の地政学バランスは歴史的な転換点を迎える。
・日本
2月の機械受注は非製造業の設備投資が不振で1月の前月比2%からさらに悪化したものの、3月の工作機械受注は半導体投資が好調で前年比30.2%と金額ベースでは過去2番目の高水準となるなど生産関連指標はまちまち。世界的な物価上昇の影響は日本にも及んでおり、3月国内企業物価は前年比9.5%と高水準、2021年度通期でも同7.3%と1980年以来の高水準となった。一方で黒田日銀総裁は「現在の強力な金融緩和を粘り強く続ける」と発言、金利差および貿易赤字が共に拡大するとの思惑から円安が進む。ウクライナ危機対応を含む外交面に世間の注目が集まる中、参院選を控え岸田政権の支持率は堅調。
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