日本市場
ウクライナ危機を受け世界的に資源価格が上昇するなか、エネルギーや食料品を輸入に頼る日本経済の脆弱性を指摘する声は多く、円安も交易条件の悪化要因との見方から日本株の上値は重い。一方で円安に関し、従来通り企業によっては輸出ドライブによる増益効果が期待できるうえ、資源価格上昇が1970年代の石油危機時のように最終的にエネルギー利用効率向上を促進する可能性もある。加えて物価上昇は長年日本経済を苦しめてきたデフレの終焉でもあり、長期的には日本株へのプラス効果も期待される。
3月の消費者物価指数(CPI)は前年比1.2%と2月の0.9%から上昇ペースは加速。一方で昨年3月の政府主導による携帯料金引下げの影響が今年4月に剥落、これに伴うCPI上昇幅は4月に前年比で1.1%、6月同1.5%と試算される。つまり携帯料金を除く物価上昇が現状程度であっても6月のCPIは前年比2.7%まで上昇することになる。コストプッシュ型のインフレは長続きしないとの見方もあるが、2月の現金給与総額は前年比1.2%上昇と政府主導の賃金上昇圧力も顕在化しており、今後CPIのさらなる上振れが予想される。市場金利はすでに上昇基調だが、あらためて今週の日銀会合が注目される。
0コメント