米国市場

金利上昇による企業業績の減速、さらにはインフレと景気後退が同時に起こるスタグフレーションリスクへの警戒感から、年初より米株は調整局面入り。但し足元では、インフレピークアウトの兆しが見えることに加え、低迷気味の経済指標にも下げ止まり感が出てきたことで米株は一旦底入れ。過去の利上げ局面でのNYダウの平均下落率は利上げ直前の高値から約19%で、直近5/20にほぼ達成(17%)している。今後Fedによるバランスシート縮小の影響も警戒されるが、米株調整は一旦終了した可能性もあろう。

消費者物価指数、生産者物価指数ともに前年比で高水準が続くが、前月比で見ると上昇はピークアウトしつつある。但し、加速する原油価格、および労働需給のひっ迫を受けた賃金上昇などからインフレが再び騰勢を強める可能性もあり、FRBはインフレの完全沈静化を確認できるまで利上げペースを緩めることはなさそうだ。一方で、インフレ動向に影響を与えるウクライナ情勢の展開やハイテク企業の賃金動向を予想することは極めて難しい。当面は、米国がインフレ沈静化に成功しつつ経済の軟着陸に成功するかを見極める状況にあり、米債は神経質な動きが続こう。

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