日米欧経済

・米国

6月のISM非製造業景況指数は3ヶ月連続で低下し2年ぶりの低水準、製造業指数ともに低下基調だが引続き好不調の分かれ目となる50を上回っており足元米経済は堅調と見られる。6月の雇用統計では非農業雇用者数はコロナ前の巡航速度に戻り、失業率は3.6%とほぼ完全雇用、一方平均時給は前年比5.1%と上昇ペースが鈍化、インフレ圧力の緩和が期待される。バイデン政権は国民の不満が集中するインフレ対策として、サウジへの原油増産要請に加え、中国に対する輸入関税の一部撤廃を示唆、中間選挙に向け支持率向上を狙う。

・欧州

ユーロ圏5月の小売売上高は前月の▲1.4%から前月比でプラス転換、但し食料品などの価格上昇の影響もあり、必ずしも消費が堅調なわけではない。主要貿易相手国である中国政府がEV取得補助制度の延長などの景気対策を打出し、独を中心とした欧州製造業の回復期待が高まる。英では不祥事が相次いだことを受け、ジョンソン首相が辞意を表明したが、背景にはウクライナ危機で深刻化したインフレの加速があると見られる。

・日本

5月の貿易収支は約2兆円の赤字、経常収支は辛うじて黒字を維持したが前年比▲92.8%と大幅減、円安と資源高のダブルパンチを受けた格好。5月の景気指数は一致、先行ともに前月から下振れ、6月のウォッチャー調査も現状、先行きともに5月から下振れるなど景気マインドは低下基調。加えて、新型コロナ変異種の感染再拡大も懸念材料。参院選は事前の予想通り自民・公明の与党勝利となった。今後3年間は国政選挙がなく、加えて安部元首相のいない政局となったことから、当面は岸田色の強い政策が打ち出されることになろう。

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