日米欧経済

・米国

注目の7月消費者物価及び生産者物価指数は下振れ、特に両指数共に前月比マイナスとなるなど、加速してきたインフレにピークアウト感が出てきた。低下の主因はガソリン価格の下落にあり、8月以降さらに低下すると予想される。一方でインフレ自体は高水準であり、FRBは物価沈静化のため金融引締め路線継続を示唆している。上下院は、気候変動関連投資と医療保険改革を目指すインフレ抑制法案を可決、バイデン政権は中間選挙を控え、史上最大規模の政策実現に向け全力を挙げる。

・欧州

ユーロ圏6月の鉱工業生産は前月比0.7%と5月の同0.8%からやや下振れ、部品の供給制約問題は徐々に緩和されつつあるものの、エネルギー価格高騰の影響が生産関連に影を落とす。一方、通貨ユーロ安にも支えられ、アフターコロナの観光需要が南欧のサービス業を中心に欧州経済全体を下支えると期待される。IEAは対ロシア経済制裁による同国の原油生産への影響は▲3%程度で限定的とし、ウクライナ危機の長期化懸念が強まる。英の次期首相選では減税を掲げるトラス外相がリード、伊では右派連立政権誕生の可能性が高まり、欧州にはポピュリズムの波が強まる。

・日本

4-6月期GDP成長率は年率2.2%と前期の同0.1%から改善、7月の工作機械受注も前月からは減速したものの、21ヶ月連続の前年比プラスとなり引続き堅調だ。一方、7月景気ウォッチャー調査は現状、先行きDI共に下振れ、従前からの資源価格の高騰に加え、新型コロナの新規感染者数の急増によりマインドは前月から大きく落ち込む。岸田首相は内閣改造を断行、主要閣僚の留任を含め手堅い布陣とし、有事に対応する「政策断行内閣」と命名した。国内外に山積する政策課題への取組の加速が期待される。

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