日米欧経済
・米国
8月のISM製造業景気指数はここ2年余りで最も低いレベルながらも横ばいを維持し、経済活動拡大の継続を示した一方、原材料コスト指数は5か月連続で低下した。また雇用統計では非農業部門雇用者数が前月比31.5万人増と堅調を維持したものの、失業率は上昇したうえ平均時給の上昇ペースは鈍化するなど、インフレピークアウトの兆しが見える。ジャクソンホール会議でのパウエルFRB議長による「多少経済が減速してもインフレ鎮静化目標を達成する」との決意が次回FOMCで改めて試される。11月の中間選挙を控え、足元のインフレ沈静化もあり、与党民主党の支持率には改善が見られる。
・欧州
ユーロ圏8月の消費者物価指数は7月の前年比8.9%からさらに上昇して過去最高を再び更新、前月比も0.5%と加速しており、欧州圏の物価上昇には歯止めがかからず、8日のECB理事会では7月に続き大幅利上げも予想される。一方、ユーロ圏8月の景況感指数は下振れ、製造業、サービス業ともにマインドの低下が続く。G7はロシア産石油の輸入価格に上限を設けることで合意、エネルギー価格の抑制、加えてウクライナ紛争の長期化を見据えロシアの戦費調達の劣化を狙う。英首相選の結果は現地時間5日に判明予定、伊の総選挙は25日投票、欧州政治はしばらく不安定な状況が続く。
・日本
7 月の鉱工業生産は事前のマイナス予想を上回り続伸した。4-6月期設備投資も前期からさらに上振れ5四半期連続の前年比プラスとなるなど、製造業を中心に設備投資意欲は旺盛だ。日銀は金融緩和維持の方針であり円安が加速、24年ぶりの1ドル140円台に乗せとなり、エネルギー、食料品価格の上昇に歯止めがかかる兆しはない。岸田政権はコロナ対応の遅れや旧統一教会問題で支持率を落としており、インフレの加速がさらなる支持率低下を招く。
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