日米欧経済

・米国

4-6月期のGDP改定値は年率▲0.6%と速報値の▲0.9%から上方修正されたものの、引続きテクニカルリセッションの状態。購買担当者指数は製造業とサービス業共に下振れ、総合指数は2ヶ月連続で中立の50割れとなった。7月の個人消費支出コアデフレーターは前年比4.6%と前月から減速、インフレにピークアウトの兆しが見られる。ジャクソンホール会議でパウエルFRB議長は「政策金利を景気抑制的な領域まで引き上げる必要がある」とし、タカ派姿勢を堅持した。バイデン大統領は政府が提供する学生ローンの一部返済免除を発表、中間選挙を控え有権者に直接アピールすることで支持率引上げを狙う。

・欧州

ユーロ圏8月の購買担当者指数は、インフレと金利上昇に加えエネルギー問題が重なり製造業、サービス業共に7月から低下、総合指数も2ヶ月連続の50割れとなった。欧州がエネルギー源として依存する天然ガスに関し、ロシアが再びパイプラインの停止を発表するなど、需要期の冬に向けて供給不安が燻る。ジャクソンホール会議ではECBメンバーも次回75BPの利上げを示唆するなどタカ派発言が目立った。ウクライナ侵攻から既に半年が経過したが終結の見通しは立たず、欧州全域の景気後退懸念が深まる。

・日本

8月の購買担当者指数は、先進国経済の減速に伴う需要減退の影響とコロナ感染者数の高止まりを受け製造業、サービス業共に7月から下振れた。8月の都区部消費者物価指数は前年比2.6%と加速、全国指数も3%に迫ると予想される。エネルギー関連補助金の効果を考慮すると実質的な物価上昇率は3%台半ばと推測され、インフレは徐々に加速している。日銀は金融緩和維持の方針だが、物価上昇が国民の不満を高めることとなれば、支持率低下に悩む政府は政策変更への圧力を強める可能性がある。

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