日米欧経済

・米国

8月の耐久財受注が下振れた一方、8月新築住宅販売や9月消費者信頼感指数は上振れるなど米経済指標は強弱マチマチ。FRBがインフレ指標として重視するPCEコアデフレーターは前年比4.9%と上昇ペースは加速、目標の2%は程遠い状態が続く。FRB高官からはタカ派発言が相次ぎ、市場はFOMCで示されたFFレート見通しである今年末の4.4%、来年末4.6%を織り込む動き。11月の中間選挙が迫る中、バイデン政権は市民生活の混乱を招く政府機関閉鎖の回避に向けた「つなぎ予算」を成立させた。

・欧州

ユーロ圏9月の景況感指数は、インフレ進行とエネルギー供給問題を背景に2年ぶり低水準となった。独9月の消費者物価上昇率が70年ぶりの高水準、ユーロ圏も前年比10%と過去最高を更新、インフレ鎮静化の兆しは見えない。英は経済対策としてインフレ対応を含む大規模な財政支出と減税を決定、国債増発への警戒感からトリプル安となる中、英中銀は長期国債買入れオペを実施。独は追加インフレ対策を発表、伊もポピュリズム政策に伴う財政の一段の悪化が懸念される。ロシアはウクライナの東南部4州の併合を宣言、一方のウクライナはNATOへの加盟申請を表明、欧州混乱の長期化は避けらない。

・日本

9月の購買担当者指数はアフターコロナの影響でサービス業が上振れ、総合指数も2ヶ月ぶりに好不調の分かれ目となる50を上回った。8月の鉱工業生産も内外の設備投資需要の高まりを背景に上振れ3ヶ月連続の前月比プラス、小売売上高も価格上昇前の駆け込み需要などで堅調。一方で8月の企業向けサービス価格は減速したものの18ヶ月連続の前年比プラスとなり、物価上昇圧力は依然として強い。為替は円安圧力が続く中、介入ポイントの145円手前で神経質な動きが続く。国民世論を2分した安倍元首相の国葬も終わり、岸田政権は物価高への対策を柱とする総合経済対策の取りまとめに着手した。

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