日米欧経済
・米国
9月の住宅着工件数や中古住宅販売は前月比マイナスで住宅関連は引続き減速傾向が続く。9月の鉱工業生産指数は上振れた一方で10月のNY連銀製造業景気指数は下振れるなど製造業の先行きも不透明。タカ派一色だった金融当局者からは利上げペース減速発言もでて、12月FOMCでは利上げ幅が0.5%となる可能性が出てきた。中間選挙が近づく中、インフレ鎮静化の見通しは立たず、バイデン政権はドル高容認発言を繰り返す、加えてガソリン価格の抑制に向け1,500万バレルの石油戦略備蓄の放出を発表。
・欧州
独9月の生産者物価指数は7月と並び再び過去最高水準。独10月のZEW景況感は期待指数は多少改善したものの大幅なマイナス、現状指数はコロナ化以来の低水準であり欧州経済をけん引する独ではインフレ加速と景気減速の同時進行が止まらない。伊ではメローニ首相が就任、連立政権下で穏健路線の組閣に動く。英ではトラス首相が減税策の全面撤回などによる混乱の責任を取り辞任を発表、政権発足から44日という短期政権となり、現在スナク前財務相が次期首相候補とされる。ロシアは占領したウクライナ東南部4州に戒厳令、加えてロシア全土向け警戒を高める大統領令を発令、戦時色が一気に高まる。
・日本
8月の第3次産業活動指数や鉱工業生産改定値などは予想を上回り、企業活動全般は比較的堅調。円安と資源高の影響により、9月の貿易赤字は2.1兆円と8月の2.8兆円に続き巨額の赤字を計上。9月の消費者物価指数は総合、コアともに前年比で3%となり、欧米ほどの高水準ではないが日本でも物価上昇は加速している。現状の政策は、インフレ進行下での赤字国債増発による補助金対策がトリプル安に見舞われた英に似ており、円ドルは一時150円台に乗せ32年ぶりの円安水準を更新、政府は円買い介入に動いた。トリプル安が警戒される中、今週の日銀政策会合が注目される。
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