日米欧経済

・米国

10月の総合消費者物価指数は下振れ、コア指数も前年比6.3%と9月の6.6%から減速、前月比でも0.3%に止まるなど6月を高値にインフレはピークアウトしつつある。内容的には財価格が下げた一方、サービス価格は帰属家賃を中心に高止まり、さらなるインフレ鎮静化には時間が必要。中間選挙では予想外に民主党が善戦、下院は共和党が過半数を獲得したが、上院の結果はジョージア州決選投票まで持ち越しとなる見込み。今後はねじれ議会の下、大統領権限で差配できる外交面での動きが注目される。

・欧州

独9月の鉱工業生産は、半導体需給の緩和と通貨安の恩恵により自動車がけん引し前月比プラスに転換、ユーロ圏9月の小売売上高も前月比プラスとなった。EUはユーロ圏2022年度の成長率を3.2%と前回7月の2.6%から引き上げた一方、2023年度は0.3%と1.4%から下方修正した。欧州経済はインフレ進行に加え泥沼化するウクライナ情勢など多くの懸念材料を抱え、先行き厳しい状況にある。ロシアは戦略上の要衝ウクライナ南部へルソン地域から撤退に動くなど劣勢に見える一方、米国議会のねじれ状態、欧州主要国の政権交代などもあり、紛争長期化に伴う西側諸国のウクライナ支援の持続性が懸念される。

・日本

9月の景気指数は一致、先行ともに下振れ、一方で10月の景気ウォッチャー調査は先行きは下振れたものの現状DIは上振れ3ヶ月連続の改善となった。9月の現金給与総額は前年比2.1%と9ヶ月連続のプラス、6ヶ月平均で見ると1.57%と25年ぶりの上昇率となった。但し実質賃金を見ると前年比▲1.3%と欧米ほどではないがインフレには追い付いてない。9月の貿易収支は円安の影響もあり大幅赤字が続くが、米金利の低下を受け為替は一時138円台まで円高が進んだ。閣僚の相次ぐ実質更迭が続く岸田政権の支持率は低下中、今後はコロナ第8波の到来が懸念される中、政策の実行力が問われる。

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