日米欧経済
・米国
11月のISM製造業景気指数は50割れ、消費者信頼感指数は下振れするなど利上げに伴う景気減速の気配が強まる。FRBが物価指標として注目するPCEコアデフレーターも前年比5%と減速し物価指標は鎮静化しつつある。一方で非農業部門雇用者数は26.3万人増、平均時給も前年比5.1%と賃金上昇につながる労働需給のひっ迫は続いており、パウエルFRB議長は12月の利上げペース減速とともにターミナルレートの上方修正を示唆した。バイデン大統領は訪米中のマクロン仏大統領と会談、ウクライナ侵攻では西側諸国の厭戦気分を踏まえ、ロシアに和平を迫るために協力することで一致した。
・欧州
ユーロ圏11月の消費者物価指数は前年比で10月から減速、前月比では▲0.1%と約1年半ぶりのマイナスとなり、欧州においてもインフレはピークアウトしつつある。ユーロ圏11月の景況感調査および10月の失業率はともに前月から改善、加えて主要貿易相手国である中国がゼロコロナ政策見直すとの期待もあり、懸念材料は徐々に解消しつつある。ロシア軍はウクライナのライフライン攻撃を続けており、停電に伴う市民生活への悪影響が拡大、一方で厳冬期に入り地上戦における戦闘激化が懸念される。
・日本
10月の有効求人倍率は1.35倍と、観光客の増加を見込む旅行業での求人増もあり10ヶ月連続で上昇。7-9月期の設備投資は前年比9.8%、企業利益も同18.3%と堅調な一方、10月の鉱工業生産は足元の半導体関連の需要減から前月比▲2.6%と2ヶ月連続でマイナス。岸田首相は低迷する支持率回復に向け、旧統一教会問題の被害者救済新法、新型コロナ対応の緩和策、小額投資非課税制度(NISA)の見直しなどポピュリズム政策を推進する。今後は加速するインフレへの対策として、日銀による金融緩和策修正の動きも想定される。
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