日米欧経済

・米国

11月購買担当者指数は製造業、サービス業ともに下振れ、総合指数も縮小した。週次の新規失業保険申請件数は24.3万件と3ヶ月ぶり高水準、ひっ迫していた労働市場にもようやく緩みが見える。FOMC議事要旨では利上げペース減速が近く適切になるとした一方、ターミナルレートは従来見通しを若干上回るとし、12月の利上げ幅縮小とともに年明け以降の利上げ継続を示唆。中間選挙を経てトランプ氏、バイデン氏の党内求心力が弱まり、2年後の大統領選に向け両党ともに党内は分裂気味、ねじれ議会における経済政策運営の対立・停滞が懸念される。

・欧州

ユーロ圏11月の購買担当者指数はサービス業が横ばいだったものの製造業、総合指数は改善。さらに消費者信頼感指数は上振れ、欧州経済はインフレやエネルギー問題に加えウクライナ紛争など問題が山積する中、意外な粘り強さを見せる。ECB議事要旨によれば一部のメンバーが0.5%と利上げ幅の圧縮を主張していたことが分かったが、シュナーベル理事は利上げ減速は時期尚早と発言、市場の利上げペース減速期待にくぎを刺した。ウクライナ紛争は冬場を迎え、ロシア軍によるインフラ施設への攻撃が続いており、停電に伴う市民生活への悪影響が拡大、持久戦の様相が強まる。

・日本

11月の購買担当者指数は製造業、サービス業ともに下振れ、総合指数も3ヶ月ぶりに好不調の分かれ目となる50を下回った。都区部消費者物価指数は前年比3.6%と加速、日本経済はここまで欧米に比べ底堅さを示してきたが、インフレ高進もあり先行き減速懸念がくすぶる。中国では新型コロナ感染者数が過去最高を更新、ゼロコロナ政策再強化による経済への悪影響が警戒される。閣僚の相次ぐ辞任を受け、自民党内では岸田首相の政権運営能力を不安視する声も強まっており、政局化するリスクが高まる。

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