今年の日米欧株価予想

昨年は、欧米では高水準のインフレ抑制のため各国の中央銀行が相次ぎ利上げをスタート、金利上昇の影響もあり経済活動は減速し、株価も先行きのリセッションを警戒して下落局面入りとなった。一方で日本における物価上昇は鈍く日銀による利上げは始まっていないものの、異次元緩和策の一環としてのYCCが一部見直され、将来的な利上げとそれに伴う景気減速が予想される状況となった。そこで、これらファンダメンタルズを踏まえ今年の日米欧の株価の行方を占ってみる。

・日本株

足元では欧米のような高インフレと利上げ、それに伴う将来的リセッションへの警戒感は弱い。ただし今後は日本においても物価上昇と日銀による緩和政策の修正が見込まれ、世界的な景気後退懸念もあり株価の上値は重い。一方でデフレ経済からの脱却により、資産部分のマイナス評価がプラス要因へと変換。低PBR株中心に買われ、結局はレンジ相場か。

・米国株

現状はリセッション入り懸念とそれに伴う利下げ期待との綱引き状態にある。足元の市場は年内利下げを織込み、株価の下落局面は終了しつつあるが、年内のインフレ鎮静化の目標達成は望み薄で再度の金利上昇により一時的に売られる可能性は残る。ただし長期金利は昨年高値(10y:4.3%)を上回ることはなく、経済のソフトランディングと来年利下げへの期待から年末にかけて債券高、株高を予想する。

・欧州株

昨年はインフレ高進に加え、ロシアのウクライナ侵攻とそれに伴うエネルギー問題、英・伊の政局混乱、中国のゼロコロナ政策など難問山積で悲観一色となり株価は下落した。ただし足元では、暖冬からエネルギー問題は一旦沈静化、中国も経済活動の再開へかじを切り、インフレもピークアウトの兆しを見せる。利上げ終了の時期は米国に遅れると予想されるものの、昨年ほどの悪条件が再び揃う可能性は低く、当面、株価は買戻しを中心に堅調な展開を予想する。

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