日米欧経済

・米国

2月の小売売上高、鉱工業生産は前月比下振れ、金融引締めによる景気減速の気配が見える。一方で消費者物価指数はコア指数が前月比で加速、インフレ圧力は依然として高止まり。今週のFOMCではパウエルFRB議長の議会証言通り利上げペース再加速とターミナルレート引上げが見込まれたが、シリコンバレー銀行(SVB)破綻を受け、市場では一転利上げ見送りの観測も出るなどFedは難しい舵取りを迫られる。政府は破綻行の預金全額保護を即座に発表、Fedも金融機関への新たな資金供給プログラムを導入、さらに大手行による中堅銀向け資金支援の動きも出るなど、官民一体で金融危機封じ込めに動く。

・欧州

ユーロ圏1月の鉱工業生産は前月比0.7%と12月の▲1.3%からプラス転換、欧州経済は地政学リスクやインフレなど問題を抱えるものの引続き底堅い。一方、2月消費者物価指数は前年比8.5%と高止まり、インフレ圧力は根強い。ECB理事会では予想通り政策金利を3会合連続となる0.5%引上げを決定した。一方で金融大手クレディスイスの経営不安再燃に伴う金融システムリスクの高まりから、次回5月の利上げに関しては状況次第として従前のタカ派姿勢をややハト派転換した。

・日本

財務省による1-3月期法人企業景気予測調査では、大企業サービス業はプラスを保ったものの、全産業の業況判断は前期から悪化した。一方で1月の機械受注は前月比9.5%と堅調、インバウンド消費も含め中国の需要回復と生産再拡大への期待は高まる。SVBショックは日本にも波及、円長期金利はYCC上限引上げ前の水準まで急低下(債券価格は上昇)した。財務省と金融庁、日銀は3者会合を開き、金融システムの安定確保に向けた対応を協議。岸田首相は来日中の韓国の尹大統領と会談、日韓関係正常化をアピール、4月の統一地方選を控え支持率回復を狙う。

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