米国市場

SVB破綻に始まった銀行不安の連鎖は続いており、自己資本などの経営基盤がぜい弱な中小銀行株を中心に金融株はさえない展開。一方でハイテク株中心のグロース銘柄が多いナスダック指数は、足元の金利急低下を受け堅調、年初来高値も視野に入る。ただし、今後金融不安解消となれば、再びインフレ懸念が強まり金利上昇となる可能性がある。逆に金融不安が拡大した場合は、SVBに代表される中堅銀行によるハイテク企業への資金供給が細る可能性があり、いずれのケースでもハイテク株の上昇には限界がありそうだ。

FOMCでは政策金利を0.25%引上げ、FFレートを4.75-5%とすることを決定した。声明文から継続的利上げの文言が削除された一方で、パウエル議長は記者会見で年内の利下げは考えていないと発言、ややタカ派的だったとの見方もある。Fedによる政策金利予想(ドッツチャート)では5月以降さらに0.25%利上げし年末時点で5-5.25%だが、市場は年末時点で4%台前半と金融不安拡大の影響で7月以降の利下げを見込む。昨年同様、Fedと市場の見通しの乖離は再び拡大しており、インフレ動向と金融不安の行方次第で大きく金利が変動する局面が続きそうだ。

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