日米欧経済

・米国

2月の個人所得、個人消費支出はともに下振れ、シカゴ購買部協会指数は昨年9月以来50を下回る。一方で3月の消費者信頼感指数は堅調を維持、景気の先行きは依然不透明。2月のPCEコア物価指数は前月比0.3%と1月を下回り、インフレは沈静化しつつある。破綻したSVBは中堅銀行ファーストシチズンズが買収で合意、またバーFRB副議長は議会公聴会で「SVB破綻はずさんな経営に拠る」として銀行規制強化の方針を示したことで信用不安の連鎖は一旦収束に向かう。市場はインフレの減速と金融不安に伴う中期的な景気下押し効果から、FRBの早期利下げを織り込む。

・欧州

3月のユーロ圏景況感指数は足元の金融不安により下振れたものの、独4月のGfk消費者信頼感は上振れるなど、消費マインド指標は比較的底堅い。経営危機に陥ったクレディスイスはUBSによる買収となり破綻の連鎖は一旦沈静化。一方でユーロ圏3月の消費者物価コア指数は前年比5.7%と過去最高を更新、高止まるインフレを受け当面はECBによる利上げ継続が予想される。ウクライナでは西側支援による戦車の実戦配備が今後見込まれ、戦闘激化とともにロシア側の戦略面における先鋭化が懸念される。

・日本

2月の鉱工業生産指数は前月比4.5%と2か月ぶりのプラス転、コロナ禍による部品等供給不足の解消が背景にある。1-3月期の日銀短観では、欧米の景気減速懸念に加え中国経済が予想外に伸び悩む影響で製造業が現況、先行きともに下振れた一方、コロナ禍からの経済正常化を見込み非製造業は上振れた。3月の都区部消費者物価指数は、政府の電気・ガス料金抑制策により前年比3.2%と2月の3.3%から小幅減速。但し、2月の企業向けサービス価格指数は続伸するなど、物価はゆるやかな上昇基調を維持。来週には植田日銀総裁の就任となり、改めて金融政策を材料とした市場の動きが注目される。

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