日米欧経済
・米国
3月の小売売上高は2カ月連続で前月比マイナス、一方で4月のミシガン大消費者信頼感は上振れ。また3月の消費者物価及び生産者物価指数は前年比でともに2年ぶり低水準となった。景気の減速が進む中、インフレ鈍化が確認でき消費者マインドは改善しつつある。市場の見方はインフレ減速と金融不安に伴う中期的な景気下押し効果から、利上げは次回5月の0.25%を最後とし、その後年内複数回の利下げを見込む。G20財務相、中銀総裁会合はウクライナ問題をめぐる意見対立、先進各国の急速な利上げに伴う途上国の債務問題もあり、5会合連続で共同声明を採択できず、世界経済の分断が続く。
・欧州
2月のユーロ圏小売売上高は物価高による購買意欲減退の影響で前月比マイナス転換。一方でユーロ圏鉱工業生産は2か月連続の前月比プラス、供給制約の緩和から持ち直し基調が続く。ECBは高止まるインフレ鎮静化のため利上げを継続すると予想され、今後金利上昇による景気抑制効果が警戒される。IMF総会が開かれる中、米国を中心とする西側各国がウクライナに対し総額50億ドルの支援を表明、紛争長期化に備えた動きが続く。
・日本
3月の景気ウォッチャー調査は現状、先行きDIともに改善、消費者態度指数も上振れた。5月に予定される新型コロナの感染法上の分類移行に伴う経済活動の正常化やインバウンド消費復活による景気回復期待が高まる。また2月の経常収支は2ヶ月ぶりにプラス転換、中国春節明けの影響で輸出が増加するとともに、インバウンドによる旅行収支の黒字拡大が背景にある。植田日銀新総裁は就任会見で、当面はYCCとマイナス金利政策継続が妥当と述べ、市場の早期YCC解除の思惑は薄れつつある。
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