日米欧経済
・米国
5月のミシガン大消費者信頼感指数は前月から低下、昨年11月以来の低水準となり景気の不透明感が強まる。4月の消費者物価および生産者物価指数はエネルギー価格の下落もあり、ともに前年比で約2年ぶり低水準となったが、前月比では3月から加速しておりインフレへの警戒感は残る。足元では地銀からの預金流出が再度深刻化、金融不安が再燃しつつある。債務上限問題に関してバイデン大統領とマッカーシー下院議長の会談が16日に延期になり、市場は史上初の米国債デフォルトに身構える。
・欧州
3月の独鉱工業生産指数は自動車生産が振るわず下振れ、欧州ではサービス業は堅調なものの、主要貿易相手国である中国経済のコロナ禍からの回復に遅れもあり、生産関連の一進一退が続く。足元3月の英CPIは前年比10.1%と引続き高水準となり、BOEは12会合連続の利上げを決定、引上げ幅は0.25%、政策金利は4.5%と14年半ぶり高水準に達した。ラガルドECB総裁は「米FRBとは異なりECBは物価安定だけにコミットする」とし、利上げ打ち止め観測をけん制する。
・日本
日本では緩やかに物価が上昇する一方、賃金上昇は遅れ気味で3月の実質賃金は前年比▲2.9%と12ヶ月連続でマイナス。実質の購買力低下により3月家計支出は前年比▲1.9%と2月の1.6%からマイナス転換、さらなる賃金上昇や増え続ける社会保険料の減額が望まれる。一方、コロナ明けに伴う国内消費者の活動再開と本格化するインバウンドへの期待感から4月景気ウォッチャー調査は、現状、先行きともに上振れ、マインドは上向く。今週末開催のG7広島サミットでは、ウクライナ紛争が長期化する中、岸田首相は開催国、被爆国のトップとして核軍縮に向けた取組みの前進を狙う、成果を期待したい。
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