日米欧経済
・米国
5月の購買担当者指数は製造業が好不調の分かれ目50を下回り3ヶ月ぶり低水準に沈んだ一方、サービス業は予想外に上振れた結果、総合指数も上昇した。1-3月期GDP改定値も堅調な個人消費の影響で上方修正されるなど、消費関連が米経済をけん引する。4月のPCEコア物価指数は前年比4.7%と前月から上昇幅が拡大。FOMC議事要旨では複数メンバーが年内の追加利上げを支持していたため、市場は7月まで2回の追加利上げを織り込む。バイデン大統領と共和党のマッカーシ下院議長は債務上限の引上げ、デフォルト回避で原則合意に至った。今後は議会での承認手続きが控えるが、難航も予想される。
・欧州
独では5月のIfo景況感指数は製造業が下振れた影響で7ヶ月ぶりに悪化、1-3月期のGDP成長率も2期連続マイナスとなりテクニカルリセッション入りとなった。ユーロ圏5月の購買担当者指数は製造業、サービス業ともに下振れた結果、総合指数は4月から低下、欧州経済の減速懸念が広がる。ECBは高止まるインフレ沈静化のため利上げを継続してきたが、一部ECB高官は利上げの最終局面入りを示唆した。ウクライナ情勢では、ウクライナ軍の反転攻勢の動きが報じられており、戦闘の激化が見込まれる。
・日本
5月の購買担当者指数は製造業が半年ぶりに50超え、サービス業も上振れた結果、総合指数は54.9と4月から改善した。東京都区部5月の消費者物価指数は前年比3.2%と4月から減速、ただしエネルギーと生鮮食料品を除くコアコア指数は同3.9%と4月から加速、今後電気料金引上げやガソリン補助金の終了が見込まれ、物価上昇圧力は高まる。植田日銀総裁は「物価高は大きな国民負担でその上振れリスクは大きい。物価高は一時的との見通しが誤っている可能性もゼロではない」と発言。日銀はインフレに対する警戒モードを引き上げた模様で、6月の政策会合があらためて注目される。
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