日米欧経済
・米国
5月のISM非製造業景気指数は下振れ5ヶ月ぶりに中立の50に接近、既に製造業指数は7カ月連続で50を下回っており、10‐12月期からの景気後退局面入りの見方が広がる。週次の失業保険新規申請件数は3週連続で増加、21年10月以来の水準に達するなど、賃金上昇を背景としたインフレ圧力には緩和の兆しが見える。今週のFOMCでは利上げ見送りとなる公算が高いが、市場には7月に再度利上げし、そこで打ち止めになるとの見方が広がる。
・欧州
1-3月期のユーロ圏GDP確報値は前期比▲0.1%と下振れ、昨年10-12月期に続き2期連続のマイナス成長となり、テクニカルリセッション入りとなった。国別では独の不調が際立つ、欧州最大の貿易相手国である中国経済の不調が製造業に悪影響を与えたようだ。一方で4月のユーロ圏小売売上高や独鉱工業生産は前月比では回復基調にあり、4-6月期はプラス成長が期待される。今週のECB理事会ではインフレの高止まりを受け8会合連続の利上げ、引上げ幅は0.25%が見込まれる。ウクライナ情勢ではウクライナ軍の反転攻勢が始まったが、ダム爆破による浸水被害拡大もあり、戦況は混とんとしている。
・日本
1-3月期のGDP確報値は年率2.7%と大幅に上方修正された。背景には民間企業の設備投資や政府消費支出の上振れに加え、サービス中心に消費も回復しており、経済は堅調。4月の実質賃金はインフレの影響で前年比▲3%と13ヶ月連続のマイナスとなったが、現金給与総額は16ヶ月連続のプラスとなり、失われた30年とは異なり名目賃金は上昇中。政府及び日銀が期待する、賃金上昇を伴う物価上昇の流れを受け、日銀が早期の政策変更に踏み切る可能性が高まる。
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