日米欧経済

・米国

6月の鉱工業生産は前月比▲0.5%となり2ヶ月連続でマイナス、小売売上高は前月比で4ヶ月連続のプラスを維持しつつも上げ幅は縮小、物価上昇の影響から景気は減速しつつある。一方で住宅着工件数、中古住宅販売件数は減少したものの、NAHB住宅市場指数は上振れ住宅需給はタイトな状況が続く。今週のFOMCでは0.25%の利上げが見込まれるが、足元の物価指標の減速を受け9月以降の利上げに対するFedの姿勢が注目される。先週にはキッシンジャー元国務長官が訪中、習近平主席と会談、引続き対中政策におけるデリスキング戦略が続く。

・欧州

7月のユーロ圏消費者信頼感指数は▲15.1と引続きマイナス圏ながら徐々に上昇、個人消費は改善傾向を維持。一方で主要貿易相手国である中国の4-6月期GDP成長率は下振れ、欧州景気の減速が警戒される。ユーロ圏6月のコアCPI確報値は5.5%へと上方修正、再加速となった。インフレ警戒を強めるECBは今週の理事会で利上げ継続が見込まれる。ロシアは黒海を通じたウクライナへの入港を禁ずる旨を発表、紛争の長期化に備え欧米各国による経済制裁緩和を狙う。

・日本

6月の第3次産業活動指数は上振れ、コロナ後のリベンジ消費と円安を追い風としたインバウンド消費によりサービス業が堅調。貿易収支は資源高の一服と自動車輸出の回復により約2年ぶりの黒字となった。一方で消費者物価指数は電力料金の引上げもあり前年比で伸び率が拡大。市場には今週の日銀政策決定会合でのYCC見直しを織り込む動きもあったが、植田総裁の「インフレ2%達成には距離があり、全体のストーリーは不変」との発言もあり、現状維持の見方が強まる。岸田首相は中東3カ国を企業幹部を同行させて訪問、カタールとのLNG安定供給に関する会合を持つなど経済活性化を支援する。

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