日米欧経済
・米国
10月のミシガン大消費者信頼感指数は3か月連続の低下、インフレ高止まりに伴う消費マインドの落ち込みが続く。9月の生産者(PPI)及び消費者物価指数(CPI)は前年比、前月比共に予想対比上振れたものの、コアCPIは前年比4.1%と21年以来の低水準となり、インフレの鈍化基調に変化はない。9月のFOMC議事要旨では年内の追加利上げについて意見が割れたことが示されたが、足元のFed高官発言では市場金利上昇による景気抑制効果を踏まえ、追加利上げの必要性は低いとの意見が目立つ。下院多数派共和党内の対立から下院議長選出の目処は立たず、議会混乱の長期化に伴う経済への影響が懸念される。
・欧州
8月の鉱工業生産はユーロ圏で前月比プラスに転じたものの、独は4か月連続のマイナスとなり、景気後退懸念が強まる。主要貿易相手国の中国では、政府が景気下支えのため1兆元にのぼる異例の補正予算編成を決定、欧州経済へも好影響が期待される。9月のECB理事会議事要旨では、10会合連続の利上げを決定したものの拮抗した判断だったと指摘、今月の理事会で利上げ休止に動く可能性が高まる。イスラエルではパレスチナの武装組織との紛争が勃発、ウクライナ紛争に続く地政学リスクの高まりから、サプライチェーンの混乱、資源高に伴うインフレ再燃が危惧される。
・日本
8月の機械受注は2か月連続のマイナスとなり、企業の設備投資は足踏みが続く。9月の景気ウォッチャー調査は現状・先行き共に7か月ぶりの50割れとなり、物価高の影響でサービス、小売り関連のマインドが低下。また8月の貿易収支は原油高の影響もあり再び大幅な赤字となるなど、日本経済は踊り場の様相を呈する。一方、9月の国内企業物価指数は政府補助金によるガソリン価格下落の効果もあり、前年比で2.0%と9か月連続の鈍化となった。日銀は足元の円安進行もあり難しい判断を要する局面を迎えており、今月末の政策決定会合が注目される。
0コメント