日米欧経済

・米国

10月の小売売上高は前月比で7か月ぶり減少、鉱工業生産も4か月ぶり減少となり、経済は緩やかに減速する。一方で11月のNY連銀及びフィアデルフィア連銀製造業景気指数はともに改善、先行きの経済見通しは底堅い。10月の消費者物価指数は前年比で3.2%に低下、前月比は0%と2022年7月以来の横ばいとなりインフレは順調に鈍化しており、利上げ再開観測は後退、FRB高官からも追加利上げに対し慎重な意見が目立つ。連邦議会でつなぎ予算案が可決され、政府閉鎖は回避された。バイデン大統領は習主席と1年ぶりに会談、経済環境が厳しい中国は経済や貿易だけでなく軍事対話再開でも合意した。

・欧州

ユーロ圏9月の鉱工業生産は前月比▲1.1%と2か月ぶりで減少となった一方、11月のZEW景況感指数は13.8と前月から改善。独の同指数も7か月ぶりのプラスとなり、欧州経済研究所(ZEW)のバッハ所長は「独経済は底を打ちつつある」として今後の経済回復に自信を見せた。ECB高官からは追加利上げに慎重な意見がみられる中、市場では利上げ打ち止め観測が浮上する。中東情勢を巡り、国連の安全保障理事会ではガザ地区の戦闘休止を求める決議が賛成多数で採択されたものの、イスラエルは軍事作戦継続を表明するなど出口は未だ見えない。

・日本

7-9月期のGDP成長率は3四半期ぶりのマイナスとなった。個人消費に加え設備投資も弱含みだったが、4₋6月期の年率4.5%とならせば引続き潜在成長率を上回る成長が続く。10月の国内企業物価は2年8か月ぶりの低水準に減速、ガソリン補助金再開などの影響が大きいがインフレ圧力は川上で鈍化しつつある。10月の貿易収支は2か月ぶりの赤字となったが、前年比では資源高の一服もあり赤字幅は7割縮小した。岸田首相はサンフランシスコで習主席と会談、改めて戦略的互恵関係を確認、日本産水産物輸入規制や邦人拘束問題への懸念を伝えたが、具体的な成果は見られなかった。

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