日米欧経済

・米国

11月のミシガン大学消費者信頼感指数は4か月連続で低下、インフレや利上げの影響が消費に及びつつあり、今後は学生ローン返済の再開もあり、米国GDPの7割を占める個人消費の減速可能性が高まる。パウエルFRB議長はIMF会議で、インフレ率は依然として目標の2%を上回っており、必要なら一段の引締めをためらわないと発言、市場の利上げ打ち止め観測にくぎを刺した。ジョンソン下院議長は新たなつなぎ予算案を提示したものの引続き政府閉鎖リスクはくすぶり、大手格付け会社ムーディーズは米国債(Aaa)の格付け見通しをネガティブに引き下げた。

・欧州

ユーロ圏9月の小売売上高は前月比で3か月連続のマイナス、特に独は▲0.8%と不振が目立つ。独では9月の製造業新規受注や鉱工業生産も前月比で8月から下振れるなど、生産関連も低迷が続く。また主要貿易相手国である中国では、消費者物価指数が前年比で3か月ぶりのマイナスとなりデフレリスクが再燃、需要減退に伴う欧州経済への影響が懸念される。ECBのラガルド総裁は会見で、利下げへの転換は今後、数四半期はないと指摘、早期の利下げ観測をけん制した。欧州委員会はウクライナのEU加盟に向け交渉入りを勧告、紛争長期化に加え中東情勢緊迫化もあり、西側諸国の支援疲れが懸念される。

・日本

9月の景気一致指数は3か月連続で上昇した一方、先行指数は反落。10月の景気ウォッチャー調査は現状、先行ともに3か月連続で低下し、景気の先行きに不透明感が強まる。9月の家計消費支出は前年比▲2.8%と7か月連続のマイナス、インフレに所得の増加が追い付かない。実質賃金は前年比▲2.4%と18か月連続のマイナス、一方で現金給与総額は前年比1.2%となり名目賃金は21か月連続のプラス。日銀は10月会合の主な意見を公表、賃上げに伴う物価目標達成の確度の高まりなど、出口戦略に関する発言が多く見られた。政権支持率は低迷、岸田首相は年内の衆院解散を事実上見送る意向を表明した。

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