日米欧経済

・米国

11月の購買担当者指数はサービス業が前月から上昇した一方、製造業は低下し2か月ぶりの50割れ、総合指数は横這い。10月の耐久財受注は2か月ぶりの前月比減、中古住宅販売件数は5か月連続の減少、景気先行指数は前月比で2022年4月以来マイナスが続く。FRBによる急ピッチの利上げにより経済全般にブレーキがかかりつつある。FOMCの前回会合議事要旨では経済の下振れリスクに言及する一方、今後の金融政策はデータ次第とし利下げ条件は示さず、市場では特段材料視されなかった。市場では2024年中に4回以上の利下げに動くとの見方が5割を超える。

・欧州

ユーロ圏11月の購買担当者指数は製造業、サービス業共に前月比上昇、総合指数も含め50割れが続くものの最悪期は脱しつつある。11月の消費者信頼感指数や独のIFO企業景況感指数も上昇、底打ちしつつある。独10月の生産者物価指数は3か月連続で前年比▲10%超となり、欧州のインフレ鎮静化は順調。ECBの10月理事会議事要旨では「必要なら追加利上げに備えるべき」との意見があったものの、ラガルド総裁は会見で「インフレ圧力は緩和されつつある」との見解を示し、利上げ打止めとなる可能性は高まる。格付会社ムーディーズは伊の格付(Baa3)据え置きを公表、信用不安拡大は回避された。

・日本

11月の購買担当者指数はサービス業が前月から上昇した一方、製造業は低下、総合指数も低下し50となり、人流回復と供給問題緩和による生産再開も足元では息切れ感が強まる。政府は11月の月例経済報告で国内景気判断を10か月ぶりに引き下げた。10月の消費者物価指数は前年比で反発、電気・ガスの補助金半減の影響が大きく、仮に年末に予定通り補助金全廃となれば、もう一段の物価上昇が見込まれる。一方でコアコア指数は前年比で減速基調を維持、インフレ圧力も漸くピークを打ちつつある。米国金利の低下に加え、日銀のマイナス金利解除を織り込む動きもあり、ここまでの円安基調は一服となった。

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