日米欧経済
・米国
11月の個人所得・支出は前月から上振れ、耐久財受注は前月比5.4%とプラス転換、加えて12月の消費者信頼感指数は110.7と2021年3月以来の高水準となるなど、米経済は全般的に底堅い。11月の住宅着工および中古住宅販売件数は前月から増加、足元の長期金利反転に伴い住宅ローン金利が低下、住宅関連の減速にも下げ止まりの兆しが見える。FRBが注目するPCEコアデフレータは順調に低下するものの、目標の2%はまだ遠い。今後の大幅利下げを織込み株価上昇が続く中、FRB高官からはインフレの再加速を懸念し、過度な金融緩和の織り込みをけん制する発言が相次ぐ。
・欧州
ユーロ圏12月の消費者信頼感指数は▲15.1と2か月連続の改善、一方で独12月のIfo企業景況感指数は4か月ぶりの悪化となるなど、欧州経済の減速基調は続く。独11月の生産者物価指数は前年比▲7.9%と大幅マイナスが続くなどインフレ鎮静化が進み、市場は来年前半の利下げ開始を織込む。物価高と景気後退の同時進行によるスタグフレーションリスクが燻っていた欧州経済だが、金融緩和の余地が認められ、最悪期は脱しつつある。
・日本
11月の消費者物価指数は前年比2.5%と資源価格の落ち着きに加え政府による補助金策の影響から低下、日銀の物価目標2%が視野に入るものの、コアコア指数は前年比3.8%と高止まる。日銀は12月の政策決定会合で予想通り金融政策の現状維持を決定、フォワードガイダンスを含めほぼ変更は無く、市場が予想した来年以降の利上げに関するアナウンスは示されなかった。植田総裁は会見で、インフレ圧力はピークアウトしつつある一方、賃金と物価の好循環を見極める必要があるとした。市場では春闘による賃上げの動きを相応に確認でき、かつ日銀が展望レポートを公表する来年4月の政策変更を見込む。
0コメント