日米欧経済

・米国

12月のISM景気指数は製造業が前月から改善する一方、非製造業は消費関連が振るわず悪化、リッチモンド連銀製造業指数も▲11と2か月連続のマイナスとなり米景気は減速しつつある。注目の雇用統計では非農業部門雇用者数は増加、平均時給も前年比4.1%と加速するなど労働環境は堅調を維持出来ており、米国経済ソフトランディングの実現性が高まる。12月のFOMC議事要旨では、多くの参加者が経済見通しの不確実性に言及、年内利下げを認めつつも高金利水準を当面維持するとして、市場の早期利下げ観測にくぎを刺した。

・欧州

ユーロ圏12月の購買担当者指数改定値は、製造業、サービス業ともに上方修正、引続き50を下回るものの2か月連続の改善となり、欧州経済の底堅さを示した。12月の消費者物価指数は前年比で再加速、エネルギー価格の下落効果剥落によるところが大きいが、インフレ鈍化にブレーキがかかり市場の早期利下げ期待は後退した。ウクライナ紛争は長期化に伴う西側諸国の支援疲れもあり膠着状態にあることに加え、イスラエルパレスチナ問題はガザ地区での戦闘が周辺地域へと拡大しており、改めて欧州経済への影響が懸念される。

・日本

11月の鉱工業生産は前月比▲0.9%と3か月ぶりのマイナスとなった一方、小売売上高は前月比1.0%とプラス転換、12月の消費者態度指数は37.2と3か月連続で改善、消費関連が景気を支える。日銀12月会合の主な意見では、金融正常化の時期を巡って賃金動向確認後にすべきとするハト派と早期修正を求めるタカ派、双方の意見が確認できた。与党自民党内では政治資金問題が燻り岸田政権の支持率低下が加速する中、元日の能登半島地震、2日の航空機衝突事故と年明け早々日本列島を不幸な出来事が襲った。今後の政府・日銀による政策運営、経済活動に加え、金融市場への影響が懸念される。

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