日米欧経済

・米国

2月の鉱工業生産指数は前月比0.1%とプラスに転じた一方、3月のNY連銀製造業景気指数は▲20.9と前月から悪化し4か月連続のマイナスとなり生産活動は減速基調にある。2月の中小企業楽観指数は89.4と昨年5月以来の低水準。2月の小売売上高はプラスに転じたものの市場予想に届かず、3月のミシガン大学消費者信頼感指数は2か月連続の減速、個人消費の雲行きも怪しい。2月の消費者物価指数は前年比3.2%、生産者物価指数は同1.6%と伸びが加速、インフレの減速ペースは鈍い。市場の利下げ観測は後ずれし金利は上昇、年内の利下げ回数も含め今週FOMCで公表されるドッツチャートに注目が集まる。

・欧州

ユーロ圏1月の鉱工業生産指数は前月比▲3.2%と3か月ぶりにのマイナス、域内最大の経済圏ドイツの弱さもあり欧州経済は減速基調にある。英1月のGDP成長率は前月比0.2%とプラス転換した一方、インフレは鈍化基調で、今週の政策委員会では金利据置が想定される。ECBのデギンドス副総裁は会見で、利下げを行うかどうかを決定するのに十分な情報を6月中に入手できると述べ、市場は早期の政策転換を織り込む。ロシア大統領選では予想通りプーチン氏が再選、11月には米国大統領選もあることから、ウクライナ紛争では長期化に伴う西側諸国の支援困難化も考えると、停戦に向けた動きが想定される。

・日本

10-12月期GDP成長率改定値は前期比0.1%とプラス転換、設備投資の改善が寄与しテクニカルリセッション入りは回避できた。1-3月期の大企業全産業景況判断指数は▲0.0と自動車の不正問題もあり4四半期ぶりのマイナス転換、1-3月期GDP成長率はマイナス転換が予想される。2月の企業物価指数は前年比0.6%と政府補助金の抑制効果剥落もあり14か月ぶりに伸び率が前月を上回った。連合による春闘の第1回集計では、賃上げ率は5.28%と33年ぶりの高水準。賃金と物価の好循環が回り始めており、今週の日銀政策会合ではマイナス金利解除が見込まれ、市場では長期金利が昨年11月以来の水準まで上昇した。

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